商品情報 商品情報

生爪についてご紹介

  • 1生爪(ナマヅメ)とは

    パワーチャック用
    写真1(パワーチャック用)(HO-8Mなど)
    スクロールチャック用
    写真2(スクロールチャック用)(SBS7Mなど)
    旋盤のチャックに被削材を把握し取り付ける為の工具(治具)です。 通常材質はS50C、S45C等の生材で作られるので”生爪”と呼ばれます。 生材は被削材の形状に合わせて成形する事が容易なので精度の高い加工が 行えます。
  • 2硬爪(カタヅメ)とは

    硬爪
    写真3(硬爪)
    硬爪とは焼入れが施されているため硬く、摩耗しにくいのですが、成型ができず 精度の高い加工には不向きです。 旋盤を購入時にはチャックメーカー純正の硬爪が付いていますが、殆どの加工は 生爪が使われます。 旋盤のチャックに使われる爪は大別するとこの”生爪”と”硬爪”の2種類ですが 我社では硬爪は取り扱いません。
  • 3旋盤用チャックとは

    旋盤用チャック
    写真4
    旋盤用チャック
    写真5

    生爪が取り付けられるチャックとは、旋盤加工する際にワークを旋盤に固定するための工具で、油圧や空圧で作動するパワーチャック(写真4)と手動のスクロールチャック(写真5)の2種類に大別されます。

    • 主なメーカー(略称)は
    • ・㈱北川鉄工所  (北川/キタガワ)
    • ・豊和工業㈱    (豊和/ホウワ)
    • ・松本機械工業㈱ (松本/マツモト)
    • ・日鋼YPK商事㈱  (日鋼/ニッコウ)
    • ・帝国チャック㈱   (SOUL/ソール)
    • ・小林鉄工㈱    (VICTOR/ビクター)
    • など
  • 4生爪の成形

    成形用治具チャックメイト
    写真6

    精度の高い旋削加工を行う為には被削材を精度よく固定する必要が有りその為には生爪を被削材の形状に合わせて精度良く成型しなければなりません。生爪の成形は通常内径バイトで被削材(通常は丸材)の径と同径になるように加工しますが、その時に爪を固定するためのリング状の成形治具を使用する場合もあります(写真6)

  • 5生爪の材質

    通常は先に述べたように鉄(S50CやS45C)ですが被削材がアルミや真鍮、或いは表面がメッキされて傷が入り易いものの加工にはアルミ製の生爪(AL-HO8Mなど)が用いられます。 しかし、最近アルミ製生爪についてユーザー様でお話しをお聞きしていると、単に柔らかい被削材の傷を防ぐ以外にも、アルミ生爪は軽量で有る為、下記のような長所が評価されております。

    ・遠心力(※注1)が小さくなり、加工の回転数を上げられる。この事によりチップの最適条件で加工する事が出来、加工面粗度の向上やインサートの寿命の向上が期待できる。また使用できるインサートの材種(ダイヤモンド等)の選択肢も広がります。

    ・チャックの把握力(※注2)を小さくすることができる。この事により薄肉のパイプ等変形しやすい被削材も変形せず、精度の良い加工が行えます。

  • 6生爪の形状

    生爪の形状は被削材の形状やチャックにより大凡下記の5種類があります。

    生爪の形状
    図1標準
    先端に山取した一般的な生爪
    主に3爪チャックで使われます
    生爪の形状
    図2小径用
    標準より山取を大きく取った生爪
    小さい径の被削材を掴むのに適しています
    生爪の形状
    図3山取り無し
    先端山取の無い生爪
    主に2方爪や4方爪に使用されます。
    生爪の形状
    図4幅広
    大きな被削材を掴むために
    使用されます。
    生爪の形状
    写真7 円形
    大きな被削材やパイプ形状、
    異形状の被削材の把握に適しています。
    ※ 更にこれらの形状で高さが高くなった高爪(タカヅメ)があります。これは被削材の形状に合わせる以外に、チャックと工具との干渉を防ぐ為にも用いられます。
  • ※注1:遠心力=m(質量)xV(速度)二乗で計算されます。
    ※注2:チャックの把握力は遠心力が大きくなると低下し、被削材が飛ぶ危険性が大きくなります。