生爪が取り付けられるチャックとは、旋盤加工する際にワークを旋盤に固定するための工具で、油圧や空圧で作動するパワーチャック(写真4)と手動のスクロールチャック(写真5)の2種類に大別されます。
精度の高い旋削加工を行う為には被削材を精度よく固定する必要が有りその為には生爪を被削材の形状に合わせて精度良く成型しなければなりません。生爪の成形は通常内径バイトで被削材(通常は丸材)の径と同径になるように加工しますが、その時に爪を固定するためのリング状の成形治具を使用する場合もあります(写真6)
通常は先に述べたように鉄(S50CやS45C)ですが被削材がアルミや真鍮、或いは表面がメッキされて傷が入り易いものの加工にはアルミ製の生爪(AL-HO8Mなど)が用いられます。 しかし、最近アルミ製生爪についてユーザー様でお話しをお聞きしていると、単に柔らかい被削材の傷を防ぐ以外にも、アルミ生爪は軽量で有る為、下記のような長所が評価されております。
・遠心力(※注1)が小さくなり、加工の回転数を上げられる。この事によりチップの最適条件で加工する事が出来、加工面粗度の向上やインサートの寿命の向上が期待できる。また使用できるインサートの材種(ダイヤモンド等)の選択肢も広がります。
・チャックの把握力(※注2)を小さくすることができる。この事により薄肉のパイプ等変形しやすい被削材も変形せず、精度の良い加工が行えます。
生爪の形状は被削材の形状やチャックにより大凡下記の5種類があります。